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2024/09/09

木材に入る虫について〜製材所ならではの対策

材に穴を開ける虫がいます。

見栄えも悪くなるので、避けられる傾向にあります。

目次

  • 1 そもそもなんで虫は木に穴を開けるの?
  • 2 テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)
  • 3 ヒラタキクイムシ・キクイムシ
  • 4 タマムシ
  • 5 シバンムシ
  • 6 シロアリ

そもそもなんで虫は木に穴を開けるの?

そもそもなぜ虫は木に穴を開けるか?べつに遊びで穴を開けているわけではありません。

ある種の虫には木はごちそう。

大きく分けて、

  • 幼虫が成長するため木を食べて穴を空ける
  • 親が幼虫を育てるために穴を空ける

場合があります。

チョウチョの幼虫は葉の上で成長しなければならないので外敵のリスクがあります。それに比べると、木の中は誰にも見つからず、かつ周りは食べ物だらけで、ご飯のプールに浮いているようなもの。かなり優れた生存戦略と言えそう。

ここでは、木材に穴を開ける虫について樹種ごとに説明。皮をすぐ剥けば被害を受けにくくなりますが、そういう製材所ならではのTIPSもご紹介。大工さん、木工作家さんなど材を扱う職業の方にご参考になればとまとめてみました。

テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)

カミキリムシは幼虫が木材を食べて育つ昆虫です。

親が木に卵を産み付け、卵から羽化した幼虫は自分から木に入り込んで穴を空けながら進みます。幼虫の消化管には共生菌がいて、それが分解しにくい木を分解して栄養にしてくれます。

その結果、木材に穴が空くことになります。昔から材に大きめの穴を空ける虫を総称してテッポウムシと読んできましたが、これは大型のカミキリムシと大型のタマムシ(後述)を指していると思われます。

カミキリムシの幼虫が食べる植物はどれでもよいということではなく、広葉樹とかバラ科とかマツ科など決まっています。たとえば、数年前からニュースで問題になっているクビアカツヤカミキリは、サクラやモモ、カキなどの広葉樹です。

カミキリムシが幼虫時代に食べる植物を「宿主」、「ホスト」と呼びます。日本には多くの種類の植物が自生しますが、その多くがある種のカミキリムシの宿主と言えます。日本には約800種のカミキリムシがいます。

スギカミキリ、ヒメスギカミキリはスギ、ヒノキを食害することが知られてます。

ヒメスギカミキリ

ベニカミキリ、タケトラカミキリは竹を食害します。

ベニカミキリ

ルリボシカミキリはケヤキやクヌギ、桜などの広葉樹を食害します。

ケヤキに集まるルリボシカミキリ

ヒラタキクイムシ・キクイムシ

多くの木材でもっとも問題となるのがキクイムシです。

キクイムシは親が木に穴を開けて卵を産み付け、幼虫が育ちます。朽ち木だけでなく生木も食害するため、森林害虫として有名。

キクイムシの一種

キクイムシは杉の原木でもよく見られます。皮を剥くと小さな穴があり、キクイムシのおがくずが詰まっています。

皮を剥くと現れる穴(キクイムシによる穿孔)
キクイムシの幼虫

近年、ナラ枯れが広がり、ミズナラやコナラなどの被害が問題になっていますが、これもキクイムシの一種、カシノナガキクイムシによる食害が原因です。

ナラ枯れ
ナラ枯れ対策

キクイムシは菌類と共生することで木材から栄養を取っています。養菌性昆虫とも呼ばれ、木材の穴の表面に増えた共生菌類(アンブロシア菌)を食べて育つことが分かってきました。

「養う菌」と書いて「養菌性」。衰えた木に穴を開けて、菌嚢と呼ばれる菌の胞子や菌糸が入った袋の器官をもっていて、それでキクイムシは菌を運搬、植え付けを行います。つまり菌を育ててそれを子どもに食べさせるのです。

木の主成分はセルロースやリグニン。実は動物も昆虫もこれを消化して栄養素を利用することは基本的にできません。分解酵素を持っていないからです。しかしキクイムシは、菌に分解させてそれを食べています。カミキリムシやシロアリもそうです。

森に住むキクイムシの生態は実に見事。オスとメスの親が木に穴を開けて巣をつくると、菌嚢の菌を穴の内部に植え付けて、メスは産卵します。種にもよりますが、卵は1週間ほどで孵り、幼虫は穴の壁で増えた共生菌を摂食して蛹になって羽化します。幼虫が成虫になるまで、親(メス)は穴の中で菌を育て、オス親は穴の入り口、樹皮近くにいて外敵、雑菌の侵入を防ぎます。さらに、ある文献によれば、腹部を細動させて換気も行うとか。

なんと巧妙なキクイムシの生態!、、ですが、驚いてばかりはいられません。問題は、穴の空いてしまった材、、、

対策はあるのでしょうか?

なかなか有効な対策というものが今はないようです。

樋口製材では経験的に、皮を剥けば被害を受けにくくなるので、原木が届いたら早めに皮を剥きます。

皮を残して製材後そのままにしておくとカミキリムシの幼虫など木を食べる虫が中に入ることが多かったり、原木が乾燥すると皮を剥がしにくくなるためです。

皮は毎日たくさんでますが、地元の果樹園、牧場などで再利用されます。今日も近くの果樹園さんに運びました。

タマムシ

タマムシもカミキリムシと同じく幼虫が木の中で育つ昆虫です。

特徴は成長に長い年月がかかるということ。たとえば、ウバタマムシなど大型のタマムシはマツ科をホストとしますが、新築の家の柱や梁から穴を開けて出てくることがあります。伐採前か丸太の土場で産卵され、羽化したものと考えられます。

タマムシはもともと幼虫期間が長く、さらに材が乾燥するとさらにその期間が長くなるため、建築5年後に家の材からタマムシが羽化した例もあります。その場合、直径1cmぐらいの穴が空いてしまいます。

ただ、その場合には家の強度に問題が起こるほどの問題になることはまれなようです。実際、古民家では大きな穴の空いたクリ材が普通に柱に使われていたりします。

ウバタマムシ
クロタマムシ。室内にいたので、家の材から出てきたのかもしれない

シバンムシ

シバンムシもキクイムシ同様、建材や仏具を食害します。

日本にはケブカシバンムシ、オオナガシバンムシ、マツザイシバンムシが生息します。

シロアリ

シロアリは製材品に穴をあけることはほぼなく(管理の問題であるため)、製材で問題になることはありまえsんが、木材を食害する虫としては有名ですので、触れておきます。

建築後の家で部材が濡れていたり湿っている期間が長いと材の中に巣を作り材をボロボロにします。アリという名がついていますが、実はアリとは関係のない種類です。アリはハチ目ですが、シロアリはゴキブリ目です。

以上、製材で問題となる虫の穴についてでした。森で育った木をなるべく良い状態で利用するため、経験と技が製材を支えています♪

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