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2016/06/22

原木市場に同行して〜挽き40年以上の職人の目利きを撮影。

原木市場とは、切りたての原木が集まる市場です。原木とは山に生えていた木を切っただけで、製材も乾燥も何もしていない状態の丸木を言います。

樋口製材の原木の下見、目利きの様子を解説します。

向かった先は、山梨県の南に位置する南部森林組合さん。南アルプス山系や富士山系など山梨県内の各所から木が集まってくる山梨県で最も大きな原木市場を有します。

巨大な丸太が並ぶ光景に、ただならぬ総量の引き受けの予感が想起されます。木々はその根から切り離され、数景個の細胞の呼吸がいっぺんに止まり、生前の季節の記憶や風の記憶、けものの記憶はが消えてなくなった。もしかしたらその記憶は、このアスファルトの上に染みついてるかもしれない。土地の記憶、そんな言葉がふと頭をよぎります。

 

目次

  • 1 原木市場に同行して(動画)
  • 2 木の種類
  • 3 原木の割れをチェックする
    • 3.1 干割れ
    • 3.2 伐採時の衝撃による割れ
    • 3.3 めまわり(目廻り)の割れ
    • 3.4 割れの種類のまとめ
  • 4 原木のシミをチェック
  • 5 原木の芯のずれをチェック
  • 6 原木の曲がりをチェック
  • 7 入札金額について

原木市場に同行して(動画)

原木市場にWEB担当が同行、挽き40年以上の職人に原木の目利きについていろいろ質問している様子を撮影しました。

 

木の種類

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これはクリの原木です。市(いち)に入ることは珍しいそうです。民家に生えているクリは背が低く、横に広がっているイメージがありますが、ここにあった原木は太く、荒々しい印象を受けます。山に生えているクリとは、こんな感じなのです。

 

 

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こちらはヒノキです。遠目から見ると、切り口が明るい、白っぽい感じがします。

 

 

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こちらは杉です。芯の中心部が茶色くなっているので、ヒノキと容易に区別できます。赤身と呼びます。

それにしても巨大な丸太が並んでいます。こんな太い木をどうやって山から運び出したのでしょうか。ただならぬ総量の「引き受け」の予感が想起されます。木の音はその根から切り離され、数景個の細胞の呼吸がいっぺんに止まったあと、こうなってます。風の記憶、日差しの記憶、紅葉の記憶、そんな木の生前の記憶がこのアスファルトに染みついてるかもしれない。そんなことを想像してしまう迫力がそこにはありました。

 

 

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こちらはスギとヒノキのツーショットです。手前がスギで、奥がヒノキです。

 

 

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真ん中の木は椹(サワラ)という木です。桶などに使われるそうです。ヒノキに似ていて見分けが難しいそうです。切り口に大きく「サ」と張り紙があるところを見ると、業者の方でも分からないのでしょうか。東北から九州まで生えているようです。
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こちらは樅(もみ)の原木です。原木市場に置いてある木の中でいちばん巨大でした。

 

 

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堅いヒノキの樹皮に散弾銃の弾がめり込んでいました。よくあるそうです。木にめり込んだ弾はそのまま木の中に取り込まれ、製材中に弾に当たって製材機の刃が欠けることもあるそうです。

 

ここから原木の目利きの話です。

原木の割れをチェックする

原木の割れをチェックすることは入札前の大事な作業になります。割れの種類によっては製材したあとに製品にならないという最悪の事態も起こりうるからです。材の中の状態は切り口の断面から想像するしかないため、目利きが大事です。割れは何種類かパターンがあります(動画19:17あたり)。

 

干割れ

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短くて細いヒビが無数に入っていますが、ぜんぶ干割れ。乾燥過程でできた割れ。問題のない割れだそうです。

 

伐採時の衝撃による割れ

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伐採時の衝撃による割れです。材の中へ深く割れが入っているわけではないので、あまり問題がない割れだそうです。

 

めまわり(目廻り)の割れ

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めまわり(目廻り)と呼ばれる割れで、問題になる割れです。木が生えているときに、北風や台風などの強風で木が軋んだときにできた割れで、年輪にそって木の中まで広がっています。製材しても材がはじめから割れていて使えない部分が出る場合があり、木材の価値が下がるそうです。

 

割れの種類のまとめ

  • 干割れ: 細かく短いヒビのような割れ。問題なし。
  • 伐採時の割れ: 年輪に関係なく雷のようにはっきりと太めに入った割れ目。あまり問題なし。
  • めまわりの割れ: 年輪に沿った割れ。割れの間が少し黒ずんだりする。問題あり。

 

こう分類すると簡単そうに見えますが、区別には長年の勘が必要のようです。だから目利きと呼ばれます。

 

原木のシミをチェック

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こちらはシミです。うっすら黒っぽく入ったもやもやしたものがシミです。「渋」とも。「しょうゆのシミみたいなもんだよ」(動画の1:32)。シミは表面がただ汚れてるのではなくて、内部にまで入り込んでいるので、製材したとき黒っぽい筋となって材の表面に浮き出てしまう場合があります。強度的には問題はないし、目廻りのように割れに繋がることもないので、見えない所に使うには問題ないですが、化粧板(室内など人の目に触れる部分)には使いにくい。

 

原木の芯のずれをチェック

年輪の中心が芯ですが、これがなるべく木の真ん中にきている材が良い。ぴったり芯が中心だと製材がしやすく、より多く、いい材がとれる。

 

原木の曲がりをチェック

なるべく曲がっていないまっすぐな材が良い。製材とは建材の柱や板を同じ幅にてまっすぐ切り出す作業。だから、原木自体が曲がっているとその分無駄がでてしまう。これを「木取りが悪い」と呼ぶ。そのため、見た目にはほとんど分からないぐらいの曲がりでも、わずかに曲がっているだけでちゃんと「小曲り」と注意書きが貼ってある。

細いヒノキは少し曲がっているだけでも規定の太さをとれなくなるから、曲がりの有無がシビアになる。

 

 

入札金額について

入札は一山単位です。木の種類や木の太さで価格は大きく変わります。業者はリューベ(㎥)あたりの値段でこの樹種でこの太さ、この質なら、と考えて入札するそうです。たとえば、動画の13:30あたりで出てきますが、比較的細身のひのき原木が1㎥あたり2万くらいの値がつくそうです。2万円とすると、その一山は14㎥だったので、だいたい一山28万円ぐらいになります。

 

以上が原木市場レポートです。ご覧いただきありがとうございます。

 

 

撮影、文 ヒノキブンコ  

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