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2023/05/20

ガーデンハウス株式会社さんの現場へ伺い、インタビューしました

今回は、普段より新築材をご利用いただくガーデンハウス株式会社さん(山梨県北杜市)の建築現場に伺い、お話をお聞きしました。

北杜市で建築中の家
代表の宮川さん

目次

  • 1 アーキテクトビルダーという形〜建築士が設計から現場施工まで行う
  • 2 唐松、檜、杉を適材適所に使用

アーキテクトビルダーという形〜建築士が設計から現場施工まで行う

代表の宮川さんは建築の仕事に40年以上に携わる一級建築士です。設計から現場施工を自身で行う、いわゆるアーキテクトビルダー(建築家ビルダー)として長年、家を建ててきました。

設計と施工の両面に対して、一人の建築士が責任を持つことになります。この形態をとる建築会社は珍しいですが、宮川さんはその確かな技とひとかたならぬこだわりでアーキテクトビルダーの形を一貫します。

唐松、檜、杉を適材適所に使用

伺った現場では、外壁には樋口製材の唐松が使われ、内装には唐松、赤松、構造材・野地板には檜、杉が使われていました。それぞれの材はその強度が異なるだけでなく、木目の出方や節の強さ、白み具合もさまざまです。宮川さんはその個性を熟知した上で適材適所に活かします。むろん、こういった材に対する感覚的な知識は、依頼主がイメージする家を建てるために必要だということは素人の私でも現場を訪れてすっと分かりました。

「この外壁も樋口さんのです。唐松は強い材で、日が当たるとヤニが出ます」

※カラマツなどマツ科は自身の樹幹を保護する目的で精油成分を含む樹液を分泌する性質がある。これは粘調な流動性を帯び、大気にふれると精油成分が次第に揮散し固形化する。これをヤニと呼ぶ。ヤニは製材後の材でも出ることがあり、材が自然な乾燥を経た証拠とも言える(樋口製材 調べ)。

唐松の外壁

「この階段の手摺り子(てすりこ)は、樋口さんに作ってもらったアカマツ(赤松)の材を割って作ってます。台座は唐松です」

手摺り子は樋口製材が挽いたアカマツ材を割って作った

—県内の工務店は杉・檜を多く使うイメージがありますが、ガーデンハウスさんは赤松、唐松が多いですね?

「うちがもともとはパイン材での建築が多かったためです。そこに杉、檜を多く使ってしまうと、雰囲気が違ってしまうんです。赤松、唐松は同じパイン系なので、内装も家の外観もまとまりが生まれます。

もう一つの理由は、好きな幅を取ろうとすると集成材しかないということもあります。でも自分は基本的に集成材は使いたくありません。ここ(この現場)にも置いてないですしね。集成材があるとそこに目がいってしまいます。やはり無垢じゃないとかっこ良くないというのが自分にはありますね。

といっても、無垢の材料はなかなかいい材が集まらなくなっています。いろんなものが次第に無くなってるんですよ。地場の製材所も減っていますし。樋口さんは、たまに2枚挽いてもらいたいなって電話すると2日くらいで作ってくれたりして、いつも親切にしてもらっています」

※パイン材・・・マツ系の木材のことを言う。北米産のマツ、日本の赤松、唐松など。地松と呼ばれることがある。パインは、香り豊かで木目が目立たず、繊細な年輪と柔らかな雰囲気を醸し出す木材。上質で温かい空間に仕上がる。

地松の木枠

—この枠はくりぬいて作ったんですか?それとも、すき間がなくぴったりくっついてるんですか?

「くっつけています。接続部分にビスケットっていうのを入れ、固定して固めてしまえば、こういう風にぴったり収まります。でも。平面が違えば、絶対こういうふうにつかないですよ」

技への自信が宮川さんの表情に表れていました。この指さす箇所に並み並みならぬこだわりが隠れている気がしました。

ビスケットで繋げ、すき間なくぴったり合わせる

—その接続方法は、お客さんが喜んでくれたから採用しているのですか?

「いえ。僕は根っからの大工じゃないから自分で工夫して家を作ってきて、自分なりのやり方がこうだった、こうやったらうまくできたということですね。単にこれとこれをつけてという風にやっても、だいたいここが空いてますから。

この接続箇所も最初はダボというものを使って平らに仕上げていたのですが、綺麗には仕上がっても、なんだかあまりかっこ良くない。だからラウンドっていって、ちょっと丸みをつけて仕上げると、ちゃんと入ってるように見えていいですね。真っ平らで入っていないふりをすると、あんまりよくないと自分は思います。

もともとが大工じゃないから、いろいろやって考えてきて、こうした方がいいだろうということで施工、造作を考えてきました」

木枠の部分だけでもこのこだわりなら、この家は数え切れないくらいのこだわりが詰まっていそうだ。

—2003年に山梨に拠点を移してということですが、それまでの経歴や移住のきっかけなどを教えてください。

「横浜で建築学部を出て、横浜で1億から1億何千万円くらいの規模の鉄筋コンクリートのビル建築を年に何棟かやっていました。そのあと、2003年に山梨に来ました。それまで休みの日に度々訪れてた小淵沢町に移住することを決めました。

1つの仕事を初めから終りまで、なるべく出来ることを自分たちで施工していきたい気持ちがあったので、それをアーキテクトビルダーという形で続けてきました」

—施主さんとどういう風に打ち合わせをして家づくりを進めていきますか?

「今は完全な注文建築はやっていなくて、いくつかのベースプランをご用意して、これを基にして、お客様のご希望を伺ってアレンジしてゆく形をとっています。ベースプランには、これまでの一棟一棟の建築から学んだことが詰まっています。

枠があると、施主様はキッチンをここに置いて玄関をここに置いてなど考えやすくなるみたいで、パズルみたいに間取りが決まっていくんですよね。相談に来られるときには、お客様はうちのHPをご覧いただいていて、こういう家がいいなあというイメージを持って来られるケースが多いので、家の間取りや仕様が決まるのはスムーズだと思います。

施工が始まれば、基礎工事、棟上げ、屋根葺き、外壁、内装、家具、外構、ボイラー、床下の温水パイプ埋設まで自分たちで施工していきます。信頼できる仲間たちと」

—お仲間の方とはもう長いんですか?

「電気屋さんは10年で、水道屋さんはこっちに来てからずっとなのでもう20年ですね。レベルが高いですよ、仲間はみんな。水道屋さんは白州の方で、困ったことがあるとすぐに都合を付けて来てくれて、なんとかしてくれるんですよ」

—「一棟一棟の建築から学んだこと」とは、たとえばどんなことがありますか?

「収まりとかですね。あとは、今は昔ほどいいSPFがとれないから、地場の製材所にマツで作ってもらうんですが、節の避け方とかですね。1/3くらいは捨てても、見栄えの悪い節の部分は使わずに内装を仕上げることが大事です。その辺りの勝手がわかってくるというのは割にありますね」

※収まり(おさまり)・・・キッチンとバスルーム、木材と木材など、異なる部屋や部材が接する場所の仕上げ方のこと。

—樋口製材の材の乾燥具合はいかがでしょうか?

「すごく乾燥してあるということではないけど、一長一短なんですよね。すごい乾燥しているとたけやでたたくとパって割れてしまうこともあるし。少し生くらいでゆっくり乾燥したものは粘り強くていいってこともあります」

—メインエリアの小淵沢、北杜市は寒い地域ですが、断熱施工について教えてください。

「壁と屋根共に、内側にグラスウールを入れて、外側にはスタイロフォーム、その間に通気層を設けて施工しています。

基本的にグラスウールは布団のような性質の物なので、陽が当たり暑くなる所には向かないのです。日光の熱を吸収し、夜間に外気が涼しくなっても、干した布団のように室内へ放熱し続けていますので、夏場室外より室内が暑い状況が発生します。そのため夏場の暑さ対策にはスタイロフォームの方が良いと自分は考えています。

ただ、静粛性と冬場の室内温度の保温性についてはグラスウールが大切な役割を果たします。一年を通じて快適な室内空間を維持し続けられるように考えた結果、現在の内断熱のグラスウールと、外断熱のスタイロフォームの両方をきっちりと施工して、なおかつ通気層も設けるという現在の断熱施工に至りました。

そしてロフト空間を夏場でも有効にお使い頂きたいので、屋根面は壁面よりも更に念を入れ、二度の野地板施工をして手間を惜しまず断熱施工をしています。室内側から、無垢の天井板、内断熱のグラスウール、一度目の垂木、内側の野地板は平面剛性を高める役割も果たす実付き構造用合板、透湿防水シート、二度目の垂木、外断熱のスタイロフォーム、通気層施工、二度目の野地板は樋口さんに製材してもらった無垢材を使用、ルーフィング、そして屋根材の施工と、気の遠くなるような工程を丁寧に重ねています。

ベニヤは対候性が低く外部環境には弱いので、外部に近いほど経年によりバラバラに朽ちてゆきます。それに比べ外部に適した無垢の材であれば、古い神社などのように長年結構しっかりしています。ただ実付の構造用合板は平面剛性が高く屋根の面剛性を保つ事については大切な役割を果たしますので、室内側に実付のベニヤ、それらを長い年月守るように外側には樋口さんに製材してもらう対候性の高い無垢材を使っています」

説明してくれる宮川さんのお話に引き込まれました。断熱は家づくりの一部分にすぎませんが、宮川さんはご自身の経験と知恵をすべて注ぎ込んで断熱施工に向き合っている。その『苦労』と『ひとかたならぬこだわり』に、迫力を感じました。

実付きの無垢板

—外見も内観も、家がどっしりしている印象がありますね。

「材を少し長くしてみたり、板の幅を150で挽いてもらっているので。あと、外壁が縦張りということもあると思います」

一級建築士の宮川さん

2003年に仕事の拠点を山梨に移した宮川さん。培った建築技術で八ヶ岳南麓を中心に、こだわりの家づくりを続けてきました。

『建物の建築を考えたとき、何度もゆっくりとお話を伺い、お互いの人柄やセンス等さまざまな事柄の理解や検討をすることがとても大切』(ガーデンハウス株式会社HPより)。そんな施主さんの『こだわり』に、宮川さん自身の『こだわり』をもって、じっくり向き合ってくれる会社でした。

宮川さん、お忙しいところ、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

樋口製材 WEB担当 小田和

ガーデンハウス株式会社

山梨県北杜市小淵沢町上笹尾4144 TEL : 0551-36-3351

https://www.garden-house.co.jp

インタビュー:ヒノキブンコ

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