「県産材で家を建てたいが、どこに相談すればいいのか?」
「外材と比べて、国産の杉やひのきはやっぱり高い?」
県産材で家を建てる場合に相談する先は一般的には工務店ですが、ほかにも森林組合や製材所などに相談してみるのもおすすめです。信頼できる工務店を見つけるのはなかなか大変ですが、工務店以外にも地域材を扱う業種に相談して安心材料を得るのは得策です。ここでは工務店以外の相談先をご説明します。
また、「国産材の価格は下がっている」、「今後は地域材を使った家づくりが増えていく」と言われますが、では、実際にどれくらい国産材の価格が落ちているのかも合わせて説明します。
ではまず工務店以外の相談先についてです。
目次
「県産材で家を建てたいが、どこに相談すればいいのか?」
県や市町村
地方自治体が県産材、国産材で家を建てるサポートをしていることが多いです。補助金についても相談できます。
たとえば岩手県ですと、「国産の木材で住宅を建てたい方の相談窓口及び情報提供サイトが開設されています。
→岩手県公式ホームページ「国産の木材で住宅を建てたい方の相談窓口及び情報提供サイトが開設されました。」
神奈川県では、「かながわ県産木材産地認証制度」を導入していて、公共事業や住宅向けに県産材が利用できる仕組みがあります。「かながわ県産木材で家を建てたい」から地元の県産材を使う工務店の一覧を見ることができます。
森林組合
全国に森林組合があります。森林組合とは、森の所有者たちが自分たちで木の伐採から運搬、販売まで共同で行う団体です。そのような森林組合は地域材を円滑に供給することが設立目的ですので、県産材の家づくりについても情報を発信しています。また、日々多くの工務店や製材所が出入りするため、電話すればおすすめの工務店を紹介してもらえることもあります。
製材所
外材を扱う製材所、国産材を扱う製材所など様々ですが、工務店に材を卸しているため地元工務店につながりがあり、国産材を扱う製材所なら県産材を使う工務店を紹介してもらえると思います。ホームページなどで地域材を扱う製材所かどうか調べて相談してみるのがおすすめです。
山梨でしたら、弊社でも信頼できる工務店をいくつかご紹介できますので是非ご相談ください。
以上が県産材で家を建てる相談先です。
次に「外国産材に比べて国産の杉、ひのきは高いか?」について説明します。
「外材と比べて、国産の杉やひのきは高くない」
もちろん製材所にもよりますが、弊社では国産杉やひのきを外材とそれほど価格に大きな違いなくお客様に提供しています。それができる理由を説明します。
国産材はどんどん安くなっている
国産材の価格は現在下がっています。明治、昭和に植林された木は次々に切りどき・使いどきを迎え、国産材の価格は供給しやすくなってきたと言われます。下は農林水産省の統計です。
木材単価の推移(農林水産省木材需給報告書のデータを基にグラフを作成)
ピークの昭和54年あたりと比べると、ひのきの価格が1/4ほどになっています。昭和後半から1年ごとに国産材の単価は下がり続け、平均的にはということですが、国産の杉やヒノキは外材と単価的にはそれほど変わらない状況になりました。
林業の将来を考えた場合、このような状況は課題が多いですが、国民にとっては国産材が使いやすい状況といえます。実際に国産材の供給は2002年あたりから増加傾向です。地域材で家を建てるケースも増えています。
国産材の価格はなぜここまで下がったか?
下がった理由は、いくつかあります。
- 外材との競争
- 戦後植林の伐採期の到来
- 林業技術、伐採の効率化
- 国産材の人工乾燥化の遅れ
余談ですが(でも大事なこと)、日本の林業の将来を考えた場合、お米や野菜と同じで木材も適正価格で取引されることが不可欠です。木材価格が現在のようにどんどん安くなると国産材で家を建てやすくなりますが、その状態は林業を着実に逼迫させ行き詰まらせてしまうかもしれません。
地域材・県産材の家をぜひ
家を県産材と外材で建てるのでは昔ほど費用面でそれほど大きな差はありません。もちろん工務店、使う樹種、工法、材を買う季節によっても金額は変わるので一概には言えませんが、昭和〜平成10年くらいまでに比べると状況は全く異なります。今後地域の材を使って家を建てるケースは増えていくことが予想されます。
先人は昔からその土地に生える木で家を作ってきました。そのような時代は何百年と続き、その間にその土地土地独自の在来工法が生み出されてきました。機械化、プレカットによる効率化も国産材を普及する重要な武器ですが、古来から続く在来工法ももっと身近になればいいじゃんね。