日本でお馴染みの檜(ヒノキ)と杉(スギ)。近所の公園を散歩中、「これ、杉?ヒノキ?」と思うことはありませんか?針葉樹であることは分かるけど、どっちか分からない・・・
でも見分けは簡単です♪ 覚え方は『赤ちゃんの手ならヒノキ』
杉とヒノキ。材としての特性も併せて製材所が解説します♪
杉?ヒノキ?見分けは簡単、葉っぱで分かる
葉っぱで簡単に見分けられます。ポイントは『赤ちゃんの手はヒノキ』です。
まず杉の葉をみてください。杉の葉はトゲトゲしてます。
しかし、ヒノキの葉は、ひのきの葉っぱは赤ちゃんの手みたいにぷくぷくしてて、かわいい!
幸い、針葉樹は一年中葉がついているので、いつでも見分けられることになります。また、掃除されていなければ、一年中、地面に枯れた葉も落ちていますので、上が高くて届かなかったら、下を見てみるのもいいでしょう。
以上、杉、ヒノキの見分け方でした。
ちなみに、製材所や林業従事者など木に関わるプロは樹皮で見分けます。原木になっている状態、それは枝や葉がない状態ということになりますが、それでもすぐに見分けます。一部、サワラ、スギサワラなど樹皮だけでは区別が難しい樹種もありますが、ヒノキ、杉に限らず区別はお手のもの。
これも余談ですが、山梨県は明治時代以降、県の財政を救ったほどスギ、ヒノキの植林が盛んな地域です。そんな山梨の杉、ヒノキが、材としてはどんな特徴を有するのかもここでご紹介♪
山梨県のスギの特徴
一般社団法人山梨県木造住宅協会によると、
杉のヤング係数は、全国平均「E73.5」に対して、やまなし県産材は「E86」。非常に高い性能を有すると分かりました。
https://www.yamanashi-mjk.jp/special/データで確認!やまなし県産材の性能/
ヤング係数は材の変形のしにくさの指標で、高いほど材の剛性が高くなります。山梨県産のスギは全国平均以上の優れた性能を有しますが、これは地元の大工さんが「山梨の材は強い」と良く言うことにも符合します♪
山梨県では、戦後植林された杉が現在70年経ち、切りどきを迎えています。
そのため、地元の原木市場や製材所にも安定して原木が入っています。製材された山梨の杉は、新築や公共施設の柱や梁などの建材として、また、造作、木工、工芸などに広く使われています。
その特徴は色が良く、木目が美しいこと。かといって、吉野杉や秋田杉のようにブランド杉ではないため、高価でなくお手頃価格で手に入りやすく、いろんなところに気軽に使える材と言えます。
原木に太さがあるので、無節材や特一(節があるが小さく抜け節はない材、抜け節を埋め木した材)が採りやすく、柱や床板など住宅の魅せる材から裏方の荒材・野地板まで広い用途で活用されています。
山梨県のヒノキの特徴
一般社団法人山梨県木造住宅協会によると、
ヒノキのヤング係数は、全国平均「E109.3」に対して、やまなし県産材は「E113.9」。ほぼ同等の性能を有すると分かりました。
https://www.yamanashi-mjk.jp/special/データで確認!やまなし県産材の性能/
このように山梨県産のヒノキは全国平均と同等以上の性能を有するため、山梨県産のヒノキ材は一般住宅や公共施設の建材など、一定の強度が求められるシーンでも多く利用されています。
その特徴は白みを帯びた明るい色で、木目が美しいこと。樋口製材をご利用のお客様も。ヒノキを選んでいかれることが多いです。
バブル期こそヒノキの価格は高騰し高級材として認知されていましたが、今は価格が下がり、広く一般住宅に使われています。
ヒノキの材には、殺菌作用、ダニ抑制、鎮静作用、緊張緩和、血行促進などさまざまな効果が知られています。
実はヒノキは世界の中で日本と台湾にしか生育していない珍しい木です。台湾ではヒノキは伐採も輸出も禁止されていますので、限られた資源と言えます。幸い、日本では戦中にヒノキなど針葉樹が軍需資源として利用されその後の植林も盛んに行われたので、今は豊富にヒノキが得られる状況。
ヒノキは古来より良材として扱われ、お寺の心柱や住居の柱などに使われてきました。ヒノキの皮も檜皮葺きなど格式の高い屋根葺きに使われてきた歴史があり、伊勢神宮や出雲大社など日本を代表する神社の屋根で採用されています。山梨では韮崎の武田八幡宮の本殿の屋根がそうです。