製材所と聞くとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
建築や土木に関わる方なら台車が動く様子や材が積み上げられている光景が思い浮かぶかもしれませんが、一般の方にとってはあまり馴染みがないものかもしれません。
でも、木を使う機会の多い方にとっては、近くに製材所があると便利。DIYをやる方にとって、『材はホームセンターで買うもの』という常識が一変しますよ。
今回は、そんな製材所の『利用法』やそもそも製材所がどんなところか解説します。
DIYに製材所が便利!
家の中で使うテーブル、子どもの本棚、庭の柵、園芸での造作、車内カスタマイズなどDIYを楽しむ方が増えました。DIYシーンの多くで必要になるのが木材で、一般的にはホームセンターで買われる方が多いようです。でも実は、製材所でも比較的安価に買えて便利です。しかも好きなサイズが手に入ることも多く、樹種も豊富なので選択肢の幅が広がります。
製材所で材を買う場合、ホームセンターと比べて以下の違いがあると言えます。
- サイズが豊富・・・板材、角材、梁材、柱、4mの長い材、太い材、細い材など自由なサイズの材が手に入る
- 樹種が豊富・・・ヒノキ、杉、アカマツ、カラマツ、クリ、ケヤキなど日本らしい樹種が手に入る
- 材の産地がはっきりしている・・・地場の製材所なら地元の材を挽いていることが多く、県産材・地域材が手に入りやすい。ホームセンターでは国産材はあっても地域材があることはまれです
- 運搬が楽・・・県内など近場なら製材所が配達してくれる場合もあります
樋口製材が扱う樹種は以下からご覧いただけます。
DIY実例
樋口製材(山梨県韮崎市)では実際に以下のDIYの例がありました。
- 農機具の収納小屋、納屋
- 本棚
- 椅子
- ソファー
- ベッド
- 庭の柵(道路からの目隠し)
- 自宅
- ミツバチの巣箱
詳しくはこちらでご紹介しています。
木材を持ち込んでもよい
規格サイズではなく、好きなサイズで木材が手に入るのはうれしいものですが、製材所ではさらに賃挽きというものもあります。これは、一般の方が持ち込んだ原木、丸太から好きなサイズに挽いてもらえるサービスです。
賃挽きはどこの製材所でもできるというものではありませんが、もしお近くの製材所が対応しているなら、『思い入れのある庭木を何か形に残したい』なんて希望も叶えられます。
こちらの記事もご参考下さい。
製材所ってどんなとこ?
製材所は「住宅の建材を作るところ」「土木工事の角材や板を供給するところ」。一般住宅や公共施設を建てたり、道路工事や林道保守に必要な用材を、原木から挽いて、工務店や土木会社に供給しています。また、製材屋は地元の大工さんと連携して家づくりを支えます。
しかし、地場の製材所が担う最も大事な役目は、『その土地の材を挽く』ということになるかと思います。つまり、向こうに見える山に生えている木を使いやすい形に変える場所。木を切って山から下ろす林業従事者が漁業の猟師さんなら、製材所はその新鮮な魚を捌く料理人と言えます。魚を捌いて美味しいお刺身にする料理人が技を磨くように、木材の挽きにも技があります。様々な木があり、様々な用途があって、それぞれに挽き方が違うからです。
地元で木を捌けるところがあるのは、地元の木を使い、地場の林業を盛んにする土台ですが、最近、この地場の製材所が減っています。一度技術が途絶えてしまうと、もうその地域で挽ける人がいなくなってしまうので、皆さん、家を建てときやDIYをするときはぜひ地元の材を使いましょう!