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2020/08/20

農機具収納用小屋のDIYを取材〜明野の葡萄畑にて

とある日、北杜市明野町でワイン醸造のために葡萄畑を作っている方が樋口製材に来店され、ヒノキと杉を購入されました。用途をお聞きすると、農機具の収納倉庫を作るとか。見学をお願いしたら快諾していただけたので、後日、さっそく葡萄畑へ。

樋口製材に倉庫の骨組みを買われたお客様
樋口製材に葡萄畑整備のための木材を買われたお客様

収穫まで3年計画。甲州、マスカット・ベリーA、メルロー、シャルドネ

佐野さんが北杜市で整備している葡萄畑

佐野さんは、去年ここ明野町で葡萄畑の整備を開始しました。奥様と一緒にワインづくりを目指しています。まずは葡萄の収穫まで3年計画、現在は土壌の整備と葡萄を這わせる支柱とワイヤーの設置が終わったところ。現場で使う農機具や細かな道具を収納するため、畑の隅に小屋を作ることにしたそうです。

制作中の倉庫(小屋)

木材を買われたのが12月12日、見学に伺ったのは12月26日と2週間後でしたが、すでにここまでできていました。鉄パイプと木材で低めに骨組みを作り、そこに波板を張る構造。ここは風が強い地域ですが、これなら平気そう。

あとは入り口の扉を作って完成になるそうです。扉は大きく開閉式にして農機具の出入りをしやすいようにします(完成の様子はこの記事の後半にあります)。

木材は足場番線で鉄パイプに結んで固定

葡萄づくりの話もお聞きしました。

「いつ頃から葡萄の苗を植えるんですか?」「来年の春からです」

植えるのは、甲州、マスカット・ベリーA、メルロー、シャルドネの予定。「シャインマスカットは作らないんですか?」と聞くと「シャインマスカットをやった方が儲かるんでしょうけど、あくまでワインなので、それは作らないですね。儲け重視じゃ生食用なんでしょうけど」とのこと。

アカシアの根があるとトラクターが使えない

土壌整備のことをお聞きすると、アカシアの根がやっかいだったと教えてくれました。地上より上の部分を草刈りする分にはいいが、地面より下の株や根の部分が残っているとトラクターが使えないため、1つずつ丁寧に取り払う必要があり、その作業が「えらかった(甲州弁で、大変だったの意)」とのこと。1株ごとにまずバックホーで掘り、それでもなかなか抜けないので手で取り出すという作業。数えただけで470個、実際には500個くらいあったそう。それは相当な重労働だったはずですが、爽やかな笑顔でさらっと話す佐野さんが印象的でした。

アカシアの根っこを抜き終わると肥料を入れてトラクターで耕運し、苗を植える準備が整いました。

来春が楽しみですね!また来ます!

半年後(2020年5月)、再訪。

半年後の5月、春に再訪。倉庫はすでに完成していました。苗も植えられ、葡萄畑らしくなっていました。

甲州、マスカット・ベリーA、メルロー、シャルドネを植えたそうです。

これは「メルロー」
これは「マスカット・ベーリーA」

前回、苗を植える前のアカシアの話をお聞きしましたが、苗を植えてからは獣害があったとか。

鹿よけのネット

貸主が以前苗木を植えたとき、新芽が鹿に食べられたそうです。そこでこの黄色いネットで葡萄畑をぐるりと囲んで獣害防止。網の裾(すそ)が余っているのはわざと。「これだけ余ってたら、鹿も嫌がりそうだよね?」と優しい笑み。「猿が来たら終わり」らしいですが、幸い今のところ来てないそう。農作物の獣害は各地で叫ばれますが、葡萄の苗木もまた免れることができないようです。

葡萄の枝は東西に伸ばす予定とのこと。そのため、碁盤の目のように綺麗に針金が張り巡らされています。「なぜ東西なんですか?」「風対策」

ここは八ヶ岳おろしが吹く場所なので、なるべく風に対して抵抗が少なくなるように向きを決めたそうです。「量をたくさんとるなら昔ながらの十文字に伸ばしていった方がいいんでしょうが、師匠と相談してこの形にしました」

「こんな虫が付いてて、これが葡萄の葉を食べるらしいんだよね」

「コフキゾウムシですね」と虫好きな私がその場で名前を言うと、佐野さんは喜んでくれました。「虫、詳しいんですね」

コフキゾウムシ
コフキゾウムシの背中を顕微鏡で覗くとエメラルドグリーンのビーズがたくさん並んでいる

後日調べると、コフキゾウムシはたしかに葡萄の葉の外縁部を食害するようですが、通常は防除が必要なほどではなく、葉の食害が目立つものの収量や生育への影響が少ないそうです。ですが、今は苗の大事な時期。大きな被害にならないといいですが。

では本題の小屋へ。

大きな扉がつき、小屋は完成していた
すでに農機具が収納されている

ご自身初めての小屋づくりだったそうですが、「イメージ通り作れましたか?それとも予定より時間がかかりましたか?」の質問に、「ほぼイメージ通りでしたね。もっと時間かかるかなと思ったけど、ほぼ予定通りに作れましたね」。作り方はネットで調べ、画像などでイメージを膨らませて、農機具の出入りがしやすいように工夫して設計したそうです。「何年かすれば波板は変えないとダメだろうけど、防腐塗装もしたので、何十年も保つんじゃないですかね」。

最後に、ワインづくりについて

収穫に向けての一歩を踏み出されたわけですが、ワインづくりは葡萄づくりとはまた違うステップでしょうか。ワインづくりはどこで習われたのか(あるいは、これから習われるか)聞くと、「奧さんが今習ってます。1年間、山梨大学ワイン科学研究センターで学び、現在は塩山にあるワイナリーで醸造の現場で働いています」

「ちゃんと勉強してるのは奧さんの方だから。葡萄づくりもワインづくりも」とご自身もたくさん勉強されているでしょうに謙遜する佐野さんの姿が印象的でした。ご夫婦の信頼関係が垣間見れます。

佐野さん、懇切丁寧に対応していただき、ありがとうございました。美味しいワインができることを楽しみにしています。

取材:小田和

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